食品工場では生産プロセスや設備の稼働に多くのエネルギーを消費するなか、原油価格の高騰・物価上昇の影響から、よりエネルギー効率を考えるようになってきています。
エネルギー効率を改善することは、コスト削減だけでなく不安定なエネルギー供給への対応にもつながり、また環境保護の観点からも重要な取り組みとなります。
エネルギー効率改善にむけたアプローチとして、5つの方法が挙げられます。
エネルギー効率改善にむけた対策５選
1.エネルギーオーディットの実施
工場全体のエネルギー使用状況を把握し、無駄なエネルギー消費が発生している箇所を特定。効率的な省エネ対策を実施することができます。
2.省エネルギー設備への切り替え
古い設備や機械を効率の良いものに更新することで、エネルギー消費を大幅に削減できます。初期費用はかかりますが、中長期の目線にたって考えることで採算が取れると言えます。
3.熱回収システムの導入
製造プロセスで発生する余剰熱を回収・再利用し、他プロセスへの過熱や建物の暖房などに活用します。廃棄されていたエネルギーを利用することで、全体で使用する熱エネルギーを抑えることができます。
4.最適な運転スケジュールの策定
生産設備の運転スケジュールを見直し、ピーク時のエネルギー需要を避けることで、電力需要を平準化しエネルギーコストを削減します。
5.従業員の意識向上と教育
エネルギー効率の重要性について研修などを通して従業員を教育していくことで、節電意識を高めながら、省エネの習慣を身につけることが重要です。
食品工場における取り組み事例
①熱回収システムを導入し、製造プロセスで発生する余剰熱を利用して事務所の暖房として再利用。これにより年間のエネルギーコスト削減を実現。
②LED照明への全面的な更新と省エネルギー設備への投資を行い、年間の電力消費量を削減。さらに従業員を対象とした省エネルギー教育を実施し、意識改革を促すなどの対策も実施。
最後に
食品工場におけるエネルギー効率の改善は、環境への貢献だけでなく、長期的なコスト削減にもつながります。上記で紹介した実践的なアプローチと各取り組み事例からも分かるように、小さな取り組みが大きな成果につながります。今後も持続可能な製造業を目指して、エネルギー効率の向上に取り組んでいきましょう。
